お別れ会と偲ぶ会の違いと費用感を整理する入門記事
近年、通夜や告別式だけでなく、生前の人柄をゆっくり振り返るお別れ会や偲ぶ会を選ぶ人が増えています。けれども、一般葬儀との違いや費用の目安が分かりづらく、不安を感じる人も少なくありません。この記事では、両者の特徴と費用感を整理し、検討時の基礎知識をまとめます。まずは全体像を押さえ、自分たちに合った見送り方を考えるきっかけにしてください。
お別れ会や偲ぶ会は、従来の通夜・告別式とは少し違うかたちで故人を送り出す場として、日本でも選択肢の一つになりつつあります。この文章では、両者の違いや一般的な費用感、内訳の考え方を整理し、初めて検討する人でも全体像をつかみやすいように解説します。
お別れ会・偲ぶ会の費用相場と主な内訳
お別れ会は、ホテルや宴会場、貸しホールなどで行うことが多く、立食パーティー形式や着席スタイルなど比較的自由な演出がしやすいスタイルです。偲ぶ会は、親族やごく近しい人たちが集まり、故人の思い出を語り合う落ち着いた会として行われることが多く、会場も小規模な会館やレストランの一室などが選ばれます。費用の内訳は、会場費、飲食費、装花や祭壇、遺影・映像上映機材、司会進行、音響、返礼品などが中心です。少人数(20〜30人)での会では、おおむね30万〜80万円前後、中規模(50〜100人)では80万〜200万円前後が一つの目安とされ、規模が大きくなるほど飲食費と会場費の比重が高まります。
お別れ会と偲ぶ会の違いと規模別の費用感
お別れ会は、生前の交流範囲が広い人や、社外の関係者を多く招きたい場合によく選ばれます。演奏やスライドショー、献花の列など、演出性のあるプログラムを組みやすく、服装も喪服に限らずダークスーツや平服とされることが少なくありません。一方、偲ぶ会は、親族やごく近しい友人が中心で、語り合いや読書会のような静かな雰囲気になることもあります。規模別にみると、身内中心の偲ぶ会で10〜20人程度なら20万〜50万円台で収まるケースが多く、交友関係者も招くお別れ会で50人規模になると、80万〜150万円程度になることもあります。人数が増えれば一人あたりの飲食費×人数がそのまま金額に跳ね返るため、誰を招くかの範囲設定が費用感を左右する大きなポイントです。
一般葬儀との比較と費用を抑えるポイント
一般的な通夜・告別式を伴う葬儀では、式場使用料、祭壇一式、宗教者へのお礼、会葬返礼品、会葬者への飲食接待、霊柩車・マイクロバスなど、多くの固定費が発生し、総額としては120万〜200万円前後になることが多いとされています。これに対して、お別れ会や偲ぶ会は宗教色を抑え、会場選びや進行内容を柔軟に調整できるため、通夜・告別式の二日分の会場費や人件費を抑えられる場合があります。また、祭壇を生花中心のシンプルな構成にしたり、香典返しを簡素にすることで、一般葬儀よりも総額を下げられる可能性があります。ただし、会葬者が多く飲食を充実させたい場合には、一般葬儀と同程度、あるいはそれ以上の費用になる場合もあり、演出面とのバランスを考えることが大切です。
社葬としてのお別れ会・偲ぶ会の目的と費用
企業が主催する社葬や合同葬の一形態として、お別れ会や偲ぶ会を行うケースもあります。この場合の目的は、社内外の関係者に向けて故人への弔意と感謝を正式に示し、企業としての姿勢を共有することにあります。会場は都市部のホテル宴会場や大規模ホールが選ばれることが多く、プロの司会や音響、映像演出、受付人員の手配など、運営体制も本格的になります。100人未満の比較的小規模な社葬でも、会場費や装花、運営サポートを含めると300万〜600万円程度になることがあり、数百人〜千人規模の大規模社葬では1000万円を超える例もあります。多くの社葬では香典や供花を辞退し、その分を企業側の負担とすることも多いため、社内規程に沿った事前の予算検討が欠かせません。
予算内で実現するための費用の抑え方と事例
お別れ会や偲ぶ会の費用を予算内に収めるには、どの項目に重点を置くかを最初に決めておくことが重要です。最近では、家族葬とセットで小規模なお別れ会プランを用意している葬送事業者や、火葬式に後日のお別れ会を組み合わせるスタイルを提案する事業者も増えています。代表的な事業者とサービス内容、費用目安をまとめると、次のようになります。
| サービス内容 | 提供事業者 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 家族葬・お別れ会プラン | 小さなお葬式 | 30万〜80万円程度 |
| 一日葬・お別れ会プラン | イオンのお葬式 | 40万〜90万円程度 |
| 火葬式+後日お別れ会 | よりそうお葬式 | 20万〜60万円程度 |
| ホテルでのお別れ会 | 都市部のシティホテル宴会場 | 80万〜200万円以上 |
価格、料金、または費用の目安として記載している内容は、利用可能な最新情報に基づいていますが、時間の経過とともに変動する可能性があります。金銭的な判断をされる際は、必ずご自身で最新情報をお調べください。
同じお別れ会でも、平日昼間の開催にして会場費を抑える、飲食をビュッフェ形式にする、装花をポイント使いにとどめるなど、工夫次第で総額は大きく変わります。また、事前に見積書を複数社から取り寄せ、何が基本料金に含まれていて、どこからがオプションなのかを確認することで、不要な項目を削りやすくなります。思い出づくりに必要な部分と、簡素化してもよい部分を整理しながら、無理のない範囲で会のかたちを整えていくことが現実的な費用コントロールにつながります。
お別れ会と偲ぶ会は、形式や雰囲気こそ違いがありますが、共通しているのは故人を思い、関係性を確かめ直す時間をつくることです。費用相場や内訳の考え方を押さえておくことで、無理のない予算の中でも自分たちらしい場を整えやすくなります。ここで紹介した費用感はあくまで目安であり、地域や会場、時期によって変動します。大まかな金額イメージを参考にしつつ、具体的な内容は専門事業者と相談しながら調整していくとよいでしょう。